Why なぜ木の家だろう

お手本は重要文化財の「中村屋」

沖縄の家に最適な条件を考えること。

通常コンクリート住宅の耐用年数は60年とされますが、塩害や台風にさらされる沖縄の風土では、その耐用年数は30~35年ともいわれます。また沖縄は地震が少なく、現に、建築の耐震基準である地震地域係数は0.7と全国でもっとも低くなっています。しかし、この数字は1981年に制定されたもので、現在、防災科学技術研究所によると、沖縄本島が30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確立は4~18%と全国平均より高くなっています。これから家を建てるなら、新しい本土並みの建築基準を意識した家づくりが重要です。

先人の知恵が集約された沖縄の木造建築。

国指定重要文化財の「中村家」は、築200年の木造建築です。先人達は、なぜ何百年もの間、木の家に住んできたのでしょうか。それは、木の家が沖縄の気候風土に合っているからに他なりません。窓を開ければ風が通り、湿気が逃げ、夏の暑さに対応。台風対策には、石垣、植木、家の配置への工夫。地震に対しては、木のもつしなやかさが活きてきたと思われます。木は、伐採された後も、樹木として生きた年月と同じ年月だけ生き続けるといわれています。中村家の堂々とした姿は、沖縄の自然にあった建築の驚異的な強さを示しています。